実際に受けてみて思った知的財産管理技能検定2級の難易度と勉強方法

スポンサーリンク
知的財産管理技能検定
スポンサーリンク

知的財産権に関するスキルアップを図りたい。弁理士は難しいけど、何か良い資格はないかな?

今回は私の保有資格、知的財産管理技能検定2級について解説したいと思います。

私は、2022年3月13日に開催された試験に一発合格しましたので、ご参考になれば幸いです。

知的財産管理技能検定とは

検定試験運営機関である知的財産教育協会によると、「「知的財産管理」という職種に関する国家試験です。知的財産(知財)を管理(マネジメント)する技能(スキル)の習得レベルを測定・評価するもの」とされています。

この試験は検定試験となっており、1~3級にわかれています。

1級は専門分野として「特許専門業務」「コンテンツ専門業務」「ブランド専門業務」の3つの分野に区分されていて、試験問題もそれぞれで異なっています。

一方、2級や3級は、1級のように区分けされておりません。

知的財産技能検定2級の試験情報

受験資格

原則として、「知的財産管理」職種での仕事の経験(実務経験)や3級合格等が必要です。

受験資格について、詳しくは運営WEBサイトにてご確認ください。

なお、私は、「知的財産に関する業務について2年以上の実務経験を有する者」に該当していたため、特に3級試験や他の要件を満たさずに受験申込みをしましたが、「知的財産に関する業務について2年以上の実務経験を有する者」の要件を満たすかセルフチェックのみであり、会社から証明書を出させる等ありませんでした。

これでは受験資格が本当はなくても受けられてしまうのけど、いいのか?とも思います。

試験内容

試験は下記表のとおりですが、学科と実技に分かれていて、最初に学科試験として択一試験を行い、時間をおいて実技試験として記述試験を実施します。学科試験と実技試験はともに40問を60分で解き、80%できたら、合格になります。

問題数や制限時間は特に余裕がないものではなく、しっかりと勉強していけば、解き終わらないことはありません。

合格基準は80%になっていますが、概ね問題数に対して何問正解だったかで決まります。ただし、実際のところ、わかりませんが、受験者の正答率や合格率等を加味して多少の調整があるのではないかと思います。私は、実技試験でぎりぎりの80%で合格しましたが、自己採点では1問足りないと思っていました。

試験種試験形式問題数制限時間合格基準
学科試験筆記試験(4肢択一)40問60分満点の80%以上
実技試験筆記試験(記述)40問60分満点の80%以上

試験日程

年に3回実施されます。3月と7月と11月に行われます。

申込期限は概ね試験日の1か月ちょっと前になることが多いです。

受験手数料

受験手数料は学科試験と実技試験ともに8,200円(非課税)です。

※2022年11月から価格改訂

合格率

学科試験は、第41回は36.8%で、ここ数年は30~60%の間で推移しています。

一方、実技試験は、第41回は52.9%で、ここ数年は30~50%の間で推移しています。

学科と実技でそこまで合格者に違いがないようです。

知的財産管理技能検定2級の難易度はどのくらいか?

個人的な感覚になりますが、簡単な試験ではないですが、たまに勉強しない日もありましたが、1か月2~3時間毎日勉強すれば十分に合格できるレベルかと思います。

他の方の記事で勉強時間が50時間といっていましたが、ある程度妥当な時間だと思います。

検定試験の2級としては、簿記検定やQC検定を受験してきましたが、それらと比べれば合格レベルに達するのは比較的容易なように感じました。

2級と3級のどちらを受けるべきか

確実に合格を取りに行くならば、3級です。しかし、しっかりと勉強時間を確保できるのであれば、2級でも良いかと思います。

また、最終的に2級までの合格でよいのであれば、費用をかけない意味で2級のみでも十分かもしれません。

知的財産管理技能検定2級の勉強方法

勉強方法としては、補助教材でテキストを確認しつつ、メインは過去問を何周も回していくことをお勧めします。

私のとった勉強方法としては、1週目はまずテキストを法律ごとに分けて読み、一つの法律が最後まで読み終わったら、その法律の単元別過去問を一気に解き、間違った箇所をテキストに戻って復習するといったことをすべての法律で行いました。例えば、特許法をひととおり読んで、読み終わったら時間を空けずに単元別過去問を一気に解く、間違えた個所はテキストに戻る。そして、次に意匠法、商標法、著作権法…といった具合にどんどん進めていきました。

このときのテキストの使い方としては、1週目の読み込み時点では、重要度が理解できていないので特にマーカー等を引きませんが、単元別過去問を解いて、間違った箇所や曖昧だった箇所についてはテキストにマーカー若しくは書き込みを行いました。

1週目は1週間程度で終えました。

次に2週目は、1週目よりもテキストの読み込む範囲を広げて一気に確認し、その後すぐに単元別過去問を解きました。テキストの読み込む範囲としては、特許法、意匠法、商標法でまとめて読み、次に著作権法やその他出題法律でまとめて読みました。

この時のテキストとしては、すべて丁寧に読んでいたら時間がかかるので、全体でどのようなことを言っているのか大枠を理解しつつ、重要なところや単元別過去問で間違ったところ等を重点的に読みました。テキストの読み込み自体は1~2時間程度になるように時間を決めて読みました。単元別過去問の解き方としては1週目と同様の解き方ですが、1回目と違うのはどうしてその答えなのか理由を思い出せるように読みました。間違った箇所や理由を言えない箇所は再度テキストに戻って確認しました。

2週目は2~3日で終えました。

3週目はテキストを最初から最後まで読み、単元別過去問をすべて解きました。

テキストの読み方としては2週目と同じように読み、単元別過去問も同様に解きました。

3週目も2~3日で終えました。 

4週目は市販の書籍についていた本試験形式の過去問と知的財産管理技能検定のウェブサイトに掲載されている3回分の本試験形式の過去問をプリントアウトして解きました。復習方法は上記と同じです。4週目で初めて本試験形式で過去問を解くことになりますが、意外と知識が抜けているだけでなく、試験形式に上手く対応できていないことに気づくと思いますので、どうしたら本番で正解できるのか考えました。

5週目以降はすべての過去問を解きつつ、間違った箇所、理解できていない箇所を重点的に復習しました。

勉強のポイントとしては、最初の段階は如何に早く過去問に取り掛かり、そして、徐々に過去問を通して理解度を上げていくことです。

繰り返し勉強していけば、いずれ理解できますので、最初のうちは立ち止まらず、過去問に取り掛かっていくべきです。

知的財産技能検定2級で使った参考書

① 過去問

この過去問は必須です。中には過去問ではなく市販の問題集でもいいのではないかとも思いますが、個人的には市販の問題集がなくても十分でした。過去問だけでは物足りなければ市販の問題集をやってもいいのかもしれません。

過去3回分の本試験問題

② テキスト

テキストは、基本的には自分にあった1冊を選べば良いと思いますが、お勧めなのはTACのテキストです。ポイントをおさえてまとめているので非常に効率的に勉強できますし、値段も安いです。次にお勧めなのが、公式テキストです。公式ということで安心感がありますが、若干値段が高いと感じてしまいました。

私はTACのテキストを使用していましたが、試験会場でよく見かけたのは公式テキストかなと思います。

なお、テキストについては1冊あれば十分です。いろいろなテキストに浮気せず、最初に決めたテキストで勉強しましょう。

なお、過去問とテキストについては、絶対に最新のものを使用しましょう。いちいち法改正されているか確認するのも手間がかかりますし、法改正されているのか気になって勉強に集中できないといったことは避けるべきです。

最後に

知的財産に関する内容は今後も益々ヒートアップしていくと個人的には思っております。IPランドスケープの広まりやコーポレートガバナンス・コードでの知的財産関係の内容明記等々。

そうした中で、知的財産技能検定は、自身の知的財産法に関するリテラシーを高めるにはうってつけの資格です。

特別、この資格の回し者ではないですが、迷っているのであれば、是非ともチャレンジすることをお勧めします。

受験申込URL:http://www.kentei-info-ip-edu.org/application.html

【関連記事】

コメント

タイトルとURLをコピーしました