中学生や高校生の頃はそれなりに勉強できたのに、なかなか資格試験に合格できない…何がダメなのか。
このような方は意外と多いのではないでしょうか。学生時代に授業をまじめに聞いて、課題をある程度こなすだけでそれなりの成績がとれ、それなりの進学先にいけたのに、大人になって難関と言われるような資格試験に挑戦するものの、なかなか点数がとれなかったり、合格できなかったりすることはないですか。
私自身、まさにこのようなタイプでなかなか資格試験が得意ではありませんでした。しかし、中学生や高校生の頃の勉強と資格試験の勉強の違いについて認識することで司法書士資格や行政書士資格、簿記2級等の資格を取得することができました。
あくまで私基準となりますので、参考程度に捉えていただけると幸いです。
テキストに書かれている内容をノートにまとめる(間違いノート等一部を除く)
学生時代は黒板に書かれたことをノートに書き写すという作業があったからなのか、いちいちノートに書いて覚えるという習慣がついたのかもしれません。私は、当初、資格試験でもこのような勉強をしていました。
しかし、これは資格試験の勉強にとっては、とても効率的ではありません。資格試験でも当然、テキストの内容を覚える必要がありますが、余程の質の悪いテキストでない限り、基本的には資格試験のテキストは合格に必要十分な内容が書かれています。それをあえて独自の観点から取捨選択して新たにノートにまとめるのは本来覚えるべき内容を削除してしまっている可能性があります。
また、ノートに書くというのは、資格試験に直結せず、あくまで作業です。よくノートにまとめることで記憶が定着する等という意見もあるかと思います。勿論、本当にそれが最善であれば、それで良いかと思いますが、資格試験で求められている力は資格試験の問題に正解する力であって、テキストをまとめる力ではないので資格試験合格には直結しないのではないかと思います。
それに、手間や時間もかかりますし、手間のわりに再度見返すことも少ないと思います。
効率的な勉強方法としては、ノートに書くという作業をなくして、テキストを見たり読んだりして覚えることをお勧めします。どうしても書いておくべき内容があるのであれば、テキストにそのまま書いたり、ワードやエクセルでまとめることをお勧めします。
なお、念のため申し上げると、テキストに書かれていることをノートにそのまままとめることが無駄なのであって、例えば、問題演習のためにノートに解放を書いたり、問題演習をして間違いノートを作ったり、似たようなポイントをノートにメモしたりする等、ノートを使うこと自体はそこまで無駄ではないと思います。また、ノートにメモをとったり、まとめること自体は、資格試験以外では必要なことでもあります。
なかなか問題演習しない
学生時代はインプットだけである程度点数が取れていたかもしれませんが、資格試験はとにかく問題演習が重要です。私が学生だった頃は、とにかく教師が言っていることを覚えておけば、試験問題にそのまま聞かれるということも多々ありました。恐らくは、学生の頃ならば人の話をちゃんときく力(傾聴力)をつけるためにそうしていたのかもしれません。しかし、資格試験は、傾聴力を問う試験ではなく、資格試験運営機関が提供した問題に正解できることが求められます。ならば、実際にどこをどのように問われているか確認する意味でも問題演習をする必要があります。また、テキストをただ漫然と読んでもどこをどのように問題として聞いてくるのかわからないので、問題演習から逆算して、どこをどのようにとらえるか理解したうえでテキストをインプットしていくことをお勧めします。
主観でテキストにラインマーカーを引く
学生時代から意味がないと思っていましたが、とにかく無駄にテキストにラインマーカーを引くことはテキストが見にくくなるだけです。特に、法律系の資格試験に言えることは最初はわからなくても先に進めて何回も読んでいくうちにわかってくることも多々あり、ラインマーカーを引いた当時の気持ちとテキストを数回読んだ後の気持ちにはずれが出てきてしまい、無駄にテキストに色付けされてしまいます。私が行った効率的なマーク方法としては、過去問で間違った箇所にラインマーカーを引くことです。マークしたところは過去に出題されている箇所は今後も出題可能性が高いですし、間違ったとなれば今後も間違う可能性があり注意が必要な箇所と言えます。
過去問は最後にとっておく
有名大学を早い段階で目指している学生であれば早い段階で赤本(過去問)に触れることと思いますが、自分の最終的なレベルに見合った学校に進学する場合、基礎が終わってから過去問に取り組むよう指導され、最終的に直前期に過去問に取り組むことが多いかと思います。実際、私は後者でした。
これに関しても、資格試験の場合は、早め、というかむしろインプットしながら過去問に取り組むべきです。多くの資格試験は、出題範囲の変更がない限り、ほとんど同じように出題されています。これは考えてみればわかるのですが、資格試験の場合、出題形式や難易度を説明せずに変えてしまうと、次回以降の出願者が大幅に減ってしまうこともあるだろうし、問題が安定しなければその資格に必要な能力を測ることができません。ということで、多少の難易度の差や出題形式が変わることがありますが、基本的には資格試験は過去問の焼き直しでできています。となれば、単純に直前期の傾向対策としてやるのではなく、初めからどこから出題されているか理解するためにもとにかく早い段階で過去問に取り組むことをお勧めします。
なお、過去問と資格学校が作った演習問題のどちらを取り組むべきなのかと聞かれますが、過去問が充実しているのであれば過去問のみで大丈夫だし、過去問が十分になければ過去問に加えて資格学校の演習問題を補充していくことをお勧めしてます。資格学校が作った演習問題の多くは独自のノウハウでよくできていることと思いますが、悪問、奇問も登場する過去問をなくして試験の傾向をつかめないと思います。
最後に
これまで資格試験の勉強を通じて学生時代の学校の勉強を否定しているような記載になってしまいましたが、決してそのような意図はないことをお伝えします。学生時代の学校の勉強では、単にテストで良い点をとるためだけにやっているわけではなく、各教科を通じて社会性を高めるための教育も兼ねているのではないかと思います。なので、どちらの勉強方法が正しいというわけではありません。
しかし、学生時代の時の勉強方法が必ずしも資格試験の勉強には通じるとは限りませんので、十分に意識して取り組むべきです。
ご参考になれば幸いです。
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