どうもこんにちは!
「受験生は気になるけど資格学校では絶対に教えない」と仰々しいタイトルを付けましたが、受験生の皆さんの中には、正解肢は2番が多いから2番を選択しようとか、3番が連続しているから次は3番ではないのではないかとか考えたことがあるという方もいるのではないでしょうか。
この議論は結局のところ、1発勝負の試験では何も意味を持たず、それまでの試験が仮にそういった傾向があるとしても今回の試験がそういう傾向があるとは限らないものですし、そもそも1発勝負の試験で試験特有の傾向に任せるべきではないので、そのようなことを研究する暇があったら、正しく試験勉強しましょうという結論に至るかと思います。
しかし、実際に試験を受けて、同じ番号の正解肢がずっと続いたり、一方で、一度も正解肢である特定の番号がなかったりすると、受験生の中には、非常に不安に感じる方もいるのではないかと思います。
このような不安を払しょくするためにも、現在、法務省で公開されている2016年から2021年までの司法書士試験の正解選択肢をまとめて、いろいろな可能性があり得ることを示していきたいと思います。
興味があれば見ていただけると幸いです。
同じ正解肢はどのくらい連続するのか。
まず、気になるところとしては、正解肢の連続する個数かと思います。
2回連続で同じなら、まぁそういうこともあるかと思いますが、私自身、5回連続すると、本当に大丈夫なのか不安になってしまいます。
実際に、次のようにまとめてみました。
各年度の午前(AM)、午後(PM)で同じ正解が続いた回数を何連続ごとにまとめたものになります。
例えば、2016年の午前なら、同じ正解が2連続(例.問2と問3ともに②が正解)のものが4回続き、同じ正解が3連続(例.問5~問7で全て③が正解)といった具合にまとめました。
5年分の分析では、2回連続が多いのはまぁわかるとして、2018年の午後の試験で5連続、4連続同じ選択肢が続いていますね。
- 5回連続は問23から27までですべて④が正解であり、すべて不動産登記法の問題です。
- 4回連続は問1から4までですべて②が正解であり、すべて民事訴訟法の問題です。
この年は受験生だったらさすがに「連続しすぎじゃね!?」と非常に不安になり、苦しんだのではないでしょうか。
それを受けてなのかはわかりませんが、翌年の2019年では同じ正解肢が3回連続以上なることは午前と午後の両方でありませんでした。
近年は3回連続以上同じ正解肢が続くことは少ないように見受けられますが、1度起きたわけですから、2018年午後の問題のように急に増えるかもしれません。
ここからしても同じ正解肢が続いたから、若しくは同じ正解肢が続かなかったからと言って、不安がることはないと思います。
1試験(35問)における各肢が正解肢となった回数の範囲
次に不安になりそうなこととして、この正解肢は選ばれすぎていないか、若しくは選ばれなさ過ぎていないかということがあるかと思いました。
そのため、1試験において各肢が正解肢に選ばれた回数の範囲をまとめてみました。
普通に考えれば35問のうち5拓がまんべんなく選ばれるかもしれないと考えれば、1試験あたりそれぞれ7問正解に選ばれるのではないかと思います。実際はどうでしょうか。
この図の範囲というのは、例えば、正解肢①ならば、2016年午後試験で正解肢に選ばれたのが35問中2問、一方で、2021年午後では正解肢に選ばれたのが9問ということで、「2~9個」としました。
これを見ると、④は6~12個となっており、他と比べて下限も上限も最も多く選ばれているようです。
驚くべきは正解肢③については、2017年午前で1問しか正解肢に選ばれませんでしたし、①や②も2問しか正解肢しか選ばれていません。
これも受験生としては「③が正解肢に選ばれなさすぎじゃね!?」と不安になったのではないでしょうか。
ここから推測すると、確かに傾向としては④が選ばれる傾向が強いように見受けられますが、それでも6問しか正解肢に選ばれないこともあるし、その他に至っては1~2問しか正解肢に選ばれない年もあります。
選択肢があったとしても不安になることはないと思います。
実際に何番が正解に選ばれることが多いのか。
全く太刀打ちできない問題にカンで選ぶとしたら、どの番号を選ぶべきか。
ということで、こちらも愚問ですが、どうしようもないときに選ぶ選択肢として、一番、正解に選ばれる選択肢はどれになるのか、試しに調べてみました。
結果は次のとおり。
左から午前午後合わせたもの、真ん中が午前(AM)、そして右が午後(PM)として5年間の正解肢に選ばれた数をまとめました。
これを見ると、意外にも若干の傾向はありますね。
④が正解肢に選ばれることはすべてにおいて30%弱あります。
2番手は概ね⑤が続き、①が全体、午前、午後のすべてで最下位になっています。
これが意図することは正直なところ作問者のみ知ることですが、順当に考えるならば、一般的に上から順番に選択肢を選ぶ受験生が多いとすると、①に正解があれば最後まで試験問題を読んでもらえないので、ちゃんと全肢検討させるために④や⑤に正解肢を集中させているのではないかと勘繰ってしまいます。
この傾向を使うのであれば、正解肢④や⑤にあたる箇所から読んでいくのも効率的に回答できるのではないかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
- 5連続もあり得るし、3連続しないこともあり得る。
- 場合によっては、1試験において正解肢に1回しか選ばれない選択肢もあり得る。
- 選択肢①は正解になる回数は最も少なく、選択肢④は正解になる回数は最も多い。
ということが個人的には興味深かったです。
こうしてみると、本試験では予想を超えることも起き得ると言えるのではないでしょうか。
正解肢だけをもって不安になることはないのかと思います。
そうした中で、保証はしませんが、どうしようもなくなったら選択肢④を選んでみてもいいのかもしれません。
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