どうも、こんにちは!
上場企業への転職・就職を考えている方、特に未経験で法務求人に応募されている方に向けて、企業研究ツールをご紹介したいと思います。
未経験で法務求人に応募されている方、特にロースクールに応募されている方の特徴として、新卒で就職活動をされていた方と比べて、その会社について詳しく調べず面接を受けられている方が少なくありません。
それは、おそらく十分に調べず、募集要項のみを確認し手当たり次第に法務と記載された求人に応募したり、あるいはどうやって調べれば良いのかわからなかったりするのではないかと思いました。
周囲が十分に企業研究できていない中で、徹底的に調べたら、その分、志望度が高いと思われやすいですし、そもそも自分に合いそうな企業なのか見えてきますので、私が使っていた企業研究ツールをご紹介したいと思います。
なお、本件は情報開示が行われている上場会社に限ります。
企業のコーポレートサイトの新卒採用情報を見よう!
これは当たり前のことなので、説明を大幅に省きますが、法務求人は基本的には中途向けとなり、新卒向けではありません。
しかし、新卒採用で説明されている情報は、新卒でまだ何もわからない方向けに説明されていますので、ここでは少なくともその会社がどのようなビジネスをしているのか、どのような社員が働いているのか等、是非とも億劫にならず見るべき情報です。
企業のコーポレートサイトの投資家情報を見よう!
「えっ!別に私、その会社に投資したいわけじゃない…」と思ったかもしれません。
確かに、そのとおりなのですが、ここには会社にとって重要な決算資料等が掲載されていますし、何よりその業界に詳しくない投資家にも説明できるように資料が作られていますので、求職者にとっても十分に理解しやすいものになっています。
では、この中でもどこと見れば良いのでしょうか。
- IRライブラリー内にある「決算報告」や「説明会資料」の通期、通年情報を見る。
- IRライブラリー内にある有価証券報告書の通期、通年情報を見る。
- その他IRライブラリー内にあるご自身にとって興味のある情報(例えば、統合報告書、ESG情報、サスティナビリティ情報等)を見る。
IRライブラリー内にある「決算報告」や「説明会資料」の通期、通年情報を見る。
これは、投資家向けにプレゼンするための資料で、上場会社が開示する決算短信(会社の計算書類)をかみ砕いて説明している資料になります。
この資料は、会社ごとに形式が異なりますので、少なくとも売上高や営業利益の増減の推移、その理由はどのようなものか、今後どういったビジネスをしていくのか等は押さえておくべきかと思います。
IRライブラリー内にある有価証券報告書の通期、通年情報を見る。
これは、金融商品取引法で定められたルールに基づいて作成された投資家向けの書類です。投資家が誤った情報で取引しないためにも法律に基づいて各社同じ情報を開示することになっています。
なので、ここに記載されている情報は、志望企業ごとの比較や競合他社との比較にも活用できます。
この資料で見ておくべきポイントは、かなりあるので割愛させていただきますが、次のような情報が役立つのではないかと思います。
- 主要な経営指標等の推移…会社の財務分析をするうえで重要
- 従業員の状況…従業員の平均年収が記載
- 事業の状況の中の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等…会社の経営課題がわかる
- 提出会社の状況の中の大株主の状況…外資はどのくらいか、親会社がいるのか等分析
- 役員の状況…どういった方が役員になっているのか
なお、有価証券報告書は、上場会社でなくても企業や業界によってEDINETというサイトで閲覧することもできます。
日本取引所のウェブサイトで調べてみよう。
ここには、会社の定款やコーポレートガバナンス報告書等が閲覧できます。
検索方法としては、トップページ向かって右側の「銘柄検索」で対象企業を検索してください。そうすると、検索結果が表示されますので、対象企業の基本情報をクリックしてください。
定款を確認したい場合は、「縦覧書類 / PR情報」を選択、コーポレート・ガバナンス報告書を確認したい場合は、コーポレート・ガバナンスを選択してください。
コーポレート・ガバナンス報告書とは、上場企業が行う企業統治(コーポレートガバナンス)において、東証と金融庁が共同で定めたガイドラインとして参照すべき原則・指針を示したコーポレート・ガバナンスコードに基づいて各企業が作成した報告書になります。
当該コーポレート・ガバナンスコードは2021年に改訂され、より一層、企業に関する具体的な情報が開示されることになりました。
日経会社情報DEGITALを活用する。
ここには上場会社の会社情報が掲載されていますし、何よりも役立つのは競合他社についてもまとめられております。
競合他社との比較は非常に有効なので活用されても良いのかもしれません。
終わりに
以上が個人的に思う法務求人に応募する前に確認しておいた方が良い企業情報ツールでした。
この他にもまだ抑えておいた方が良いものは多々ありますが、少なくともこのあたりの情報について事前に知っておいた方が、その企業がどのような会社なのかわかるし、例えば、ここで調べた内容に基づいて志望動機を説明すれば説得力のある説明になるのではないかと思います。
私が法務求人の面接を担当してきた中で、企業についてこういった資料に基づいて調べてきた方はほとんどいませんでしたし、このあたりの情報を調べてきた方はとても好印象を受けました。
当記事が皆様の役に立てれば幸いです。
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