企業の法務部で働くべきか、司法書士事務所で働くべきか。

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司法書士
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司法書士試験を働きながら目指していますが、企業の法務部で働こうか、司法書士事務所で働こうか悩んでいます。どちらがいいでしょうか。

よく司法書士受験生からこういった質問を受けることがあります。

どちらが良いか一長一短な面がありますが、両方を経験した立場から比較したいと思います。

企業の法務部で働くこと

メリット

① 組織がしっかりしていることが多い

会社ごとに異なる面もありますが、社会保険に必ず入りますし、コンプライアンスも厳しいことが多いですし、研修制度が整っていることもあります。

安定を考えるならば、断然会社勤めの方が有利です。

② 登記以外の実務に触れることができる。

登記以外にも株主総会や取締役会の運営、契約書チェック、規程整備、M&A対応等触れることができますし、勿論、これは会社ごと異なりますが、今後、司法書士に合格し、司法書士として働くとなると、業務に偏りが出てくるかと思いますので、いろいろな経験ができることは良いのではないかと思います。また、弁護士や司法書士に仕事を発注する側の気持ちが学べることもメリットかと思います。

デメリット

① 3月決算の会社であれば、司法書士試験直前期と会社の株主総会の時期が被る

上場企業だけ江かもしれませんが、企業法務の繁忙期は株主総会時期です。普段の業務に加え、株主総会対応をすることになり、直前期の勉強をやる時間はかなり限られてしまうこともあります。この点、企業の法務の繁忙期について入社前に確認しておいた方が良いかもしれません。

② 採用ハードルが高い

基本的に法務部門は専門性が要求されることから未経験者のハードルが高いですし、応募者もロースクール卒業生が多く、競争相手も多いのが現状です。

司法書士事務所で働くこと

メリット

① 試験直前期に優遇してくれる事務所が多い

試験が近くなると、事務所も事情をよく理解してくれるので、直前期に長期休みをさせてもらえることが多いです。

② 就活のハードルがそこまで高くない

なかなか一般の就活サイトでは司法書士事務所の求人は少ないですが、例えば、ハローワークや各都道府県にある司法書士会のサイトで求人を出している事務所が多く、就活のハードルは高くないです。

③ 実務を早い段階から学べる

勿論、決済などの立会は補助者ではできませんが、書類作成やお客さんとのやりとり等、合格後独立してやっていくうえで必要なことを見て学ぶことができます。なお、実務が試験に役立つことはあまりありません。

デメリット

① 給与が安かったり、社会保険、福利厚生がなかったりします。

これも事務所による面が大きいですが、補助者ということで給料がそこまで高くないこともあり、事務所が個人事業主であれば社会保険がないこともあります。

② 事務所のあたり外れが大きい

司法書士事務所はトップの考えが強く反映され、従業員に厳しいところもあれば、優しいところもあります。司法書士業務は基本的には労働集約型のビジネスモデルということもあり、如何に原価(人件費)を下げられるかという考えが強い事務所だと安い給料で長時間労働を迫ってくるケースも見受けられます。司法書士事務所は内定が出やすいですが、本当に自分にあっているのか面接の際に確認すべきです。

働きながら目指すならばどちらがおすすめか。

結局のところ、司法書士試験を挑戦する際の勤め先は会社や事務所とのご縁なので、自分が選んで良いと思ったところに行くことをお勧めしますし、司法書士として働きたいのであればまずは試験合格を最優先にすることをお勧めします。

これらの悩みは、実は司法書士合格と比べたら、大きな問題ではありません。

しかし、もしこれを考えている時期が就活中の学生であれば、個人的には、残業が少なく、できるだけ大きい一般企業に勤めることをお勧めします。というのも、司法書士に合格したとしても、その後、社会人として何らかの研修を受けることなく、司法書士として働くことになります。今まで何者でもなかった人が急に先生と呼ばれて勘違いされている方も少なくありません。そうならないためにも、社会人として勉強するという意味で一般企業に勤めることをお勧めします。

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