自分でやってみて感じた支払督促のメリットとデメリット

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法務関連
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どうもこんにちは!

今回は支払督促について、ご紹介したいと思います。

私自身、法務部門を通して、それなりに実績ができてきたこともあり、所感を中心に記載したいと思います。なお、本件は債権者側の立場の記載となります。

支払督促とは

そもそも支払督促ってどのようなものでしょうか。

支払督促は、金銭や有価証券などの債権回収手段の一種で、簡易裁判所の裁判所書記官を通じて相手方に対して債務を支払うように督促する手続です。

裁判所の手続きと異なり、支払督促の審査は申立人が提出した書面を形式的に審査し、中身を具体的に審査したり、証人尋問等が行われたりすることはありません。一方、支払督促手続きを進めて、仮執行宣言付支払督促が確定すれば、裁判所の判決と同様に強制執行の申立てをすることができます。

また、債権回収手段として内容証明郵便もありますが、簡易裁判所の裁判所書記官が関与しているので、実効性が高いです。

メリット

① 債務者からレスポンスが来やすくなる。

私が思う最大のメリットとしては何かしらの債務者からのレスポンスがきやすいことにあります。今まで電話や内容証明を送付しても無視していた方でも、返事がかえってきやすいです。

② 最終的に強制執行手続きを行える。

たとえ返事が来なかったとしても、最終的には強制執行手続きを行えることは良い点かと思います。

③ コストが安い

裁判をやるコストを考えると、支払督促で済めばコストが安く収まるという点もあります。

デメリット

① 申立てが債務者の住所地を管轄する簡易裁判所であること

合意管轄が使えず、債務者の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てなければならないことです。申立ては郵送で対応してもらえますが、仮に、債務者から異議申立てをされてしまうと、通常の訴訟に移行されてしまいます。

② 債務者から異議申立てされると、通常の訴訟に移行されること

折角、支払督促をしても債務者から異議申立てされてしまえば、異議の正当性を問わず、通常の訴訟に移行されてしまいます。①にも関連しますが、債務者と距離がある場合、訴訟を行う裁判所もその管轄になりますので、移動が大変です。(訴訟では移動せずに解決手段もありますが…)

なお、私が異議申立てで受けた内容は、「債務があることは認めるが、分割払いにしてほしい」というものが大半です。

私が支払督促を申し立てる上で心掛けたこと等

① 支払督促を行う基準

その後のトラブルが大きくなるリスクも想定し、ほぼ確実に当社の言い分が通るもの、極端に債権額が高くないものに対して実施しました。また、あまりに遠距離であると、その後訴訟に発展した際に移動が大変なので、近場のものに限定しました。

② 事前に訴訟準備もしておく

支払督促は、異議申立てをすれば、訴訟に移行してしまうので、事前に証拠や和解案を提示できるように用意しておく等の準備はしていました。

自分で支払督促をやるには

自分で支払督促をやるには裁判所のWEBサイトで内容を確認し、管轄の裁判所書記官様に相談すれば、十分に対応できます。

支払督促 | 裁判所
裁判所のホームページです。裁判例情報、司法統計、裁判手続などに関する情報を掲載しています。

また、それ以上に準備をするのであれば、以下の書籍をお勧めします。

※大まかな支払督促の流れ、ひな型がわかる。これ一冊でも十分に対応可能。

※より詳しく準備しておきたいのであればこちらがおすすめ。

最後に

支払督促を実際に行うかどうかはご自身の判断にお任せしますが、私は、こういった手続きを書籍にとどまらず理解しておき、様々な紛争解決手段の選択肢をもっておきたいということで実施しました。ご参考になれば幸いです。

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