司法書士筆記試験にようやく合格できた!口述試験は必ず受けるとしてこれからどうしていくべきか。
一般的に、司法書士試験筆記試験に合格したら、口述試験を受験し、余程のことがない限り皆合格できます。その後、新人研修がはじまったり、就職先を探したりすることと思います。
今回、心構えとして抑えておいた方が良いことを記載したいと思います。
なお、細かなスケジュールはご自身で積極的に集めていかない限り、誰も助けてくれませんので、各研修の主催元に確認をとって行動しましょう。
合格者が基本的にやるべきこと
各研修の日程は早めに抑えて早めに手続きを済ませよう!
研修には中央新人研修、ブロック新人研修、各都道府県の司法書士会の新人研修(単位会の新人研修)、特別研修があります。
※その他、後見をやる方は別途研修あり。
中央新人研修、ブロック新人研修、単位会の新人研修は司法書士登録をするために必要なものなので、くれぐれもホテル等の手配も含め申込み忘れにはご注意ください。
特別研修は、「簡裁訴訟代理等能力認定考査」を受けるために必要な研修です。仕事をしながら司法書士試験に合格された方の中には未だ退職していない方もいるかと思います。なかなか一般企業に勤めながら受講することは難しいので、会社に理解をいただいて有給を取得して受講されている方、退職して受講されている方も多くいました。場合によっては、翌年以降に受講される方もいます。
特に、各都道府県の司法書士会主催の新人研修は、いくつか気を付けておくべき点があります。
一つ目は、登録地の新人研修でなければ認めてくれません。そのため、しっかりと登録したい地域の司法書士会に確認をとりましょう。
二つ目は、地域によって開催時期や内容がばらばらなので、注意しましょう。例えば、東京では、私が合格した当時は合格年の12月頃という早い時期に開催されていました。そのため、募集に間に合わない方が何名かいた記憶があります。また、単位会の研修内容は、それぞればらばらで、東京では単位会の新人研修は座学のみで良かったのですが、地方だと座学+配属研修が一般的です。
なお、東京会の研修は、とてもよくできた資料なので、関東近辺や静岡・山梨にお住まいの方であっても、登録予定の単位会に加えて、東京会の研修に参加されている方も多数いました。
認定考査の対策は早めに実施しよう!
司法書士に合格したら恐らく大半の方は「簡裁訴訟代理等能力認定考査」を受験することと思います。
最近は試験日程が翌年の9月頃に開催されていますが、その時期は司法書士として働きながら勉強することと思います。司法書士として働き始めた当初は仕事で覚えることもあるし、忙しいことと思います。司法書士試験の筆記試験が終わったら、勿論、口述試験の対策もしたいと思いますが、この時期から併行して認定考査の勉強をすることをお勧めします。口述試験は余程、おかしな態度をとらなければ合格できます。
※ちなみに、私はあまりにも忙しい事務所で働いていたので、認定考査に1度落ちてしまいました。2回目以降になると、更に仕事も忙しくなるし、司法書士試験で培った勉強習慣も薄れてきてしまうので、合格率が下がってきてしまいます。
積極的にイベントに参加し、同期との交流を深めよう!
同じ時期に合格した方は、どこか同士のような感覚が生まれ、今後数年にわたり助け合える関係になる場合もあります。特に、司法書士はいずれ独立することが大半であり、そうしたら同じ司法書士同士ライバル関係になってしまいます。そうした中でも同期はよきライバルになることが多く、困ったときに助け・助けられる関係になりやすいです。私も企業法務をしている立場ではありますが、数年たった今でも同期と交友があります。
また、合格者の中には試験勉強を長年続けてきて人とのコミュニケーションがなかなか上手く取れない方も割と見受けられます。例えば、手書きで雑に書いた名刺を渡してきたり、親しくもないのにいきなり年収を聞いてきて全員の年収をメモするおじさんがいたり…相手に不快感を与えず、ニコニコしていれば年齢・性別にかかわらず、比較的仲良くなれますので、そういった点に注意していれば大丈夫ですので、積極的にいきましょう。
じっくりと就職先を検討しよう!
いきなり独立される方もいますが、多くはどこかの事務所で修行or就職することと思います。
いろいろな方の意見を聞いてじっくりと選んで就職先を決定することをお勧めします。このように言うのも、司法書士事務所といえども業務内容や方針は様々で一見良さそうにみえる事務所でも実はものすごく激務ということもあるし、自分では抱えきれない責任を負わされるリスクもありますし、なかなか辞めさせてもらえないこともあります。焦る必要はありません。じっくりと周囲の意見を聞きつつ、事務所選びをしましょう。
また、企業法務系への転職を考えている場合には、企業に勤めている司法書士資格を有している方や合格者で結成された日本組織内司法書士協会に参加してみることもお勧めです。
思いっきり楽しみましょう!
今まで試験勉強という締め付けられた環境にいた分、この機会に思いっきり発散することをお勧めします。司法書士試験は合格してしまえば、二度と合格することはできませんので、一度きりのチャンスです。貴重な経験だと思って楽しみましょう。
名刺を作っておこう!
今後、合格祝賀会や研修が開始されると、名刺交換をする機会がでてきます。会社の名刺を渡すのも良いのですが、結局どういうつながりかわからないので、個人用の名刺を作っておくことをお勧めします。その際、「司法書士」とは名乗れないので、「〇年司法書士試験合格」と書いておけばわかりやすいと思います。
興味があればやるべきこと
官報を購入若しくはインターネット官報を保存しよう
司法書士試験に合格すると官報に名前が載ります。せっかくの記念なので、官報を購入することをお勧めします。
また、インターネットでも官報を閲覧することができますが、官報の無料公開期間は直近30日分です。ご注意ください。
合格体験記を書こう
合格体験記を記載すれば多少のお小遣いをもらえたり、合格祝賀会に参加できます。
記述答案を開示請求しよう
頑張った記念になります。予備校によっては何かもらえるところもあります。
司法書士以外にも目を向けよう
今まで司法書士試験に専念してきたと思いますが、世の中、司法書士試験受験生が中心で回っているわけではありません。視野が狭くなっているかもしれません。旅行していろいろなものに触れてみたり、趣味に打ち込んでみたり、いろいろな方と交流したりすることをお勧めします。
最後に
司法書士試験は試験に合格するだけでハードルが高いので、合格がゴールになってしまう方も多数います。今後、司法書士として生きていくのか、そうでないのかはその人次第ですが、司法書士合格をスタートラインとして活躍されることを祈念します。
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