司法試験から司法書士試験に方針転換するのはありなのか?

スポンサーリンク
司法書士
スポンサーリンク

どうもこんにちは!

司法試験でどうにも結果を残せず、司法書士試験へ方針転換を考えている方へ向けて実際はどうなのか私の実体験をもとに解説したいと思います。

私は、大学時代、司法試験合格を目指していましたが、どうにも結果が出ず、司法書士試験に切り替え、なんとか司法書士試験に合格したので、少しは参考になるのではないかと思います。

なお、私としては、司法書士試験への方針転換はありだと思いますが、ご検討されている方ご自身にとって、本当に良い選択なのかじっくりと検討すべきであると思います。

司法試験の勉強は司法書士試験に活きるのか

結論としては、多くの科目が被るので、一般的な初学者よりは効率的に学習を進められるという点では十分に活きます

しかし、合格レベルに達している受験層の中で優位に戦えるほどのメリットはありません

司法試験と司法書士試験の両方に被る科目としては、憲法、民法、刑法、商法(会社法)、民事訴訟法となっており、司法書士試験の全得点から42.9%は被っています

初学者と比べて先行して学習を進められるメリットとなります。

また、憲法、刑法、民法(物権法や相続法を除く)については、司法試験の方が司法書士試験よりも難しいので、司法試験の勉強でこと足りると思います。

しかし、被っている科目であっても、民法の中でも物権法や相続法、そして商法(会社法)は司法書士試験の方が司法試験よりも細かい条文を聞いてくる印象があります。

例えば、司法書士試験の根抵当権では司法試験の勉強だけでは太刀打ちできないと思います。

また、もし、司法書士試験に転身するのであれば、物権法、相続法はその後の不動産登記法にも影響してきますし、会社法についても商業登記法に影響してきますので、司法試験のアドバンテージがあるからそこまで力を入れなくて良いと考えてしまうと、司法書士試験に失敗します。

なお、その他の司法試験と被らない司法書士試験科目(例えば、不動産登記法や商業登記法)については、独学だと難しい面もあるので、資格学校に通った方が手っ取り早いかと思います。

【参考】 司法書士試験のうち司法試験と被る科目

司法書士試験合格同期の元司法試験受験生について

司法書士試験が合格後、祝賀会や新人研修で同期合格者と合う機会が多いのですが、その中で元司法試験受験生は個人的な感覚だと、そこまで多数派を占めているという印象がありません。あくまで私の周囲なので、正確なものではありませんが、同期10名いたら元司法試験受験生は私を含め2~3名程度といったところでしょうか。決してマジョリティーを占めているという感覚はありません

また、1回で受かった超短期合格者も当然いますが、合格回数に対しての司法試験受験生の相関性は低いかと思います。

注意すべきこと

(1)簡単には受からない

司法書士試験も合格率が例年3%程度なので難関試験です。

勿論、一部の優秀な方しか決して受からない試験ではないですが、司法書士試験に向けてきちんと勉強しなければ受からない試験であることは十分に認識しておきましょう。

私は、決して甘く見ていたわけではないですが、司法試験の延長戦のような感覚で最初は受験していたのですが、気持ちが司法書士試験に向いていないとなかなか合格までの距離が縮まらず、短期合格はかないませんでした。

しかし、司法書士試験は、司法試験と異なり、論文試験がないので、論文が苦手で択一が得意な方であれば、試験内容としてはご自身にあっているのではないかと思います。

(2)司法書士の業務内容を確認しよう

たまに司法試験から切り替えた方の中にどうしても法律の専門家になりたくて司法試験に合格できなければ司法書士試験に挑戦しようという方もいます。

確かに、私自身、司法書士も法律の専門家として言えると確信していますが、例えば弁護士と司法書士では業務内容がかなり異なります。

弁護士は主に法律を使って紛争解決することが仕事であるのに対して、司法書士はトラブルをおこさないために登記等の法律事務を行う平和産業であるとよく言われることがあります。

また、司法書士も認定考査に合格すれば140万円以下の簡易裁判所の代理権を付与されるため、一部紛争解決をすることができますが、基本的には紛争を起こさないための事前の法律手続きを行うことが主力業務と言えます。

ですから、司法書士業務は本当に自分に向いているのか、受験前に検討することをお勧めします。

なお、もともと弁護士を目指していたけど、トラブルを扱うよりも不動産登記業務の方が自分に合っていると気づき、逆に司法書士に切り替える方は意外と多くいます。

意外と司法書士の方が仕事内容がご自身にあっているということは多いかもしれません。

(3)自分の生き方として、どうしたいのか改めて検討しよう

いきなり壮大な小見出しとなってしまいましたが、これが司法書士試験へ方針転換するうえで最も重要なものかと思います。

例えば、司法試験への諦めはついたのか、ご自身の将来において司法書士試験合格は必要なことなのか、まずは社会に出て働くべきなのか等々、自分の生き方からみて重要なのか検討すべきです。

司法書士試験合格者の中には、その後も業務につかず、司法試験を目指されている方もいます。

ご自身がどのようなことに取り組みたいのか良いのか考えましょう。

(4)働きながら司法書士試験を目指す

法律系資格は欲しいけど、働きながら出ないと目指せなかったり、まずは一旦働いたうえで考えたいという方もいるのではないでしょうか。

これについては、別で記事にまとめましたので、ご確認いただきたいと思います。

終わりに

私は、司法試験から司法書士試験に切り替えましたが、自分自身としてはよかったと思います。

私は、他の受験生とキャリアの考え方が異なり、法律系資格を取得する等して専門性を高め、企業勤めで法務業務を行いたいというものでした。

この点、勿論、司法試験に合格し弁護士資格があればより会社の評価も高いものであるし、専門性も高めやすい環境になるかと思います。しかし、司法書士に合格し、実務経験を積めば、それなりの企業で法務業務に携われますし、弁護士資格には及びませんが、十分に専門性を高められる環境に行けるかと思います。後は、その後の法務業務への取組み次第かと思います。

また、自分自身も司法試験に落ちましたが、司法書士試験に合格したことである程度の納得感は得られたと思っております。

本記事が参考になれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました