令和4年度司法書士試験の結果をいろいろと見てみた!

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司法書士
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どうもこんにちは!令和4年度の司法書士試験の結果が発表されました。

試験問題の内容については各資格学校が分析し、公表されることと思いますので、それ以外の資格学校があまり分析しなさそうな点について振り返ってみたいと思います。

出願状況、合格率等データ

まず出願状況を見ると、年々減少傾向だった出願者数につき、2021年に続き2022年も前年より増加していることもあり、下げ止まり感が出てきた印象です。

昔は、資格は不況になると、人気になると言いますが、もしかすると、近年の景気の不安定さで増加したのかもしれません。

しかし、個人的には司法書士や法律職の人気が回復したようなイメージはあまりなく、魅力ある仕事ということがもっとアピールしても良いのかなと思っており、現状では横ばいになっていくような気がします。

出願者数から受験者数を引いた試験日に欠席した人数は出願者の増減にかかわらず3,000人毎年いるようです。

合格者数については、司法書士試験は、最初に決められた一定の点数をとれば良いというよりも合格者の上位何%をとる試験(相対評価の試験)なので、今年は合格者が増えました。合格率についても誤差の範囲ですが、若干増えました。受験生にとっては朗報ですね。

合格者平均年齢

合格者平均年齢は前年よりも1歳程下げ40.65歳となりました。しかし、未だ合格者平均年齢が40歳を超えており、司法試験と比べて、社会人が多く受ける試験ということで済み分けされているような印象です。

個人的には、若い方もどんどん司法書士に入っていただいた方が活気づくことになるので業界的には良いと思いますが、司法書士試験は年齢制限もなく、高齢で合格しても他の職業よりは再チャレンジできますし、高齢で一念発起して合格したからこそ見えてくる視点もあるかと思いますので、これはこれで良いと感じます。

ただし、学生時代から40歳近くまで司法試験や司法書士試験ばかり挑戦し、まともな職歴がないと、合格してからいろいろと厳しい現実が待ち受けることとなりますので、覚悟が必要です。

合格者最低最高年齢

合格者最低年齢は20歳、最高年齢は71歳となっており、概ね例年どおりです。幅広い年齢層で合格者が出ていることはある種、年齢に平等な試験ですね。

ただし、個人的に私が合格した当時の若い合格者とご高齢の合格者とお話をうかがうと、試験勉強の取り組み方が違うような印象と受けます。若い方で特に短期合格をされている方はわからない問題は丸暗記でごりごり覚えていくのに対して、ご高齢の方はご自身の経験に基づいて理解していくという印象が強くあります。勿論、一定程度の丸暗記や理解は年齢にかかわらず必要ですが、年齢による優位性を活かした受験戦略・計画を立てても良いかもしれません。

年度別合格者平均年齢

昨年と比べて、20代の合格者が回復していますが、30代~50代の合格者が減少しています。また、30代は減少傾向、60代は増加傾向が見て取れます。

これだけでは、傾向の根本原因をつかみ取れませんが、30代の受験層の減少や60代からの再チャレンジ受験層の増加ということもあり得るのかもしれません。

合格点等データ

合格点は、過去5年間では最も高い216.5点でした。基準点についても高めでした。一方で、基準点から合格点までの距離(合格点から基準点を差し引いた点数)は前年より2点低く、25.5点でした。恐らく例年に比べて波乱を起こすような試験問題は少なく順当に勉強していれば点数の取りやすい試験だったのではないかと思います。今年は過去5年と比べて合格点が高くでたこともあるので、来年はひねくれた出題で合格点を下げてくるかもしれません。なお、念のため、申し上げると、合格点を下げるような問題が出てくるかもと想定しても、むやみやたらに細かい知識を詰めても点数は伸びないので注意しましょう。基本的な勉強方法は過去問を中心に丁寧に理解を深めることが最も重要です。合格点を下げるような問題への対策は、年度別過去問で合格点の低い年の問題を解いて、なぜ難しかったのか考えて対策をとれば良いと思います。

また、基準点から合格点までの距離を択一何問正解すれば良いか置き換えると、およそ9問とれば良いということになります。

正解肢個数と正解肢の連続回数

正解肢の個数については、午前は③が多く、午後はほぼ均等と言えます。

過去に司法書士試験においてどのような肢が正解肢に選ばれやすいのか検証しましたが、

④が5肢のうち最も多く、①が最も少ないという傾向がありました。今回の試験では①については正解になりにくい傾向が見えてこれについては的中していますが、④が多いという傾向からは外れています。

捕らぬ狸の皮算用ですが、来年は③が減り、④のより戻しがあるかもしれません。こればかりは作問者次第ですが…

正解肢の連続回数については、午前はやや連続回数が少なかったような印象ですが、基本的にはイレギュラーな感じはしませんでした。

来年も同様の可能性もあり得るし、場合によっては2018年の午後のように5連続があるケースもあり得ますので、要注意です。

参考:https://kuma-houmu.com/sihousyosishikenkininaruseikaishi/

最後に

試験上のデータだけを見れば、波乱が少なく、順当に勉強された受験生にとっては、今年の試験は合格しやすかった年ではないかと思います。出願者や合格者数も増えて、過度に難しくもなく、同じ番号が連続しすぎる等なく、安定していたのではないかと思いました。

来年どうなるかは、知りませんが、今年の反動で波乱が起きることも想定して、普段の勉強にプラスして波乱が起きた年の年度別過去問を解いても良いのかもしれません。

※過去問:https://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index3.html

【解説】

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